HS customはHSにボリューム・コントロールを足したものです。これはリッチー・ブラックモアが1974年に改造したもので、途中まであげるとDeep Purpleの「BURN」やRAINBOW初期の音色を創り出せます。
HSは、ホーンビー・スキューズの回路とパーツを収集し、忠実に再現したモデルです。ホーンビー・スキューズは、今は無きイギリスのメーカーで、1967年~1969年までブリティッシュ・ロックの数々のグループの間で使わていました。
リッチー・ブラックモアがDeep Purpleの「DEEP PURPLE IN ROCK」や「made in japan」等の録音で残した名演は、ホーンビー・スキューズの素晴らしくパワフルな音色によるものです。
ホーンビー・スキューズで使われている部品に、OC44というヨーロッパのゲルマニュウム・トランジスタがあります。HSでは、オリジナルのユニットと同じものを使用しています。このパーツは今では希少な物となっています。
HSは特にフェンダーやリッケンバッカー、バーンスやボックス等の出力の低いピックアップのために作られ、ギターのボリュームを最大にするとリード用には太い音を作り出し、ボリュームを下げた状態ではクランチな音色をつくりだします。
アンプのボリュームを最大にすると、パワーアンプがサチュレーション状態になりハイが減少します。そこでこのHSを用いることで、輪郭のはっきりした音色になります。アンプ側のプレゼンスコントロールを用いるより効果的です。とくにFender、Vox AC30、JTM45、Plexiなどのヴィンテージアンプを使用すると顕著にあらわれます。
リッチー・ブラックモアは、Marshall Major 200のヘッドを“made in japan”で使用し、次のような設定にしていました。
これらの名称は、オリジナルにちなんでトレブル・ブースターとなっていますが、どちらかといえば、エンハンサー、フィルターのようなものです。