1973年、3つの有名バンドに所属していたミュージシャンたちがバッド・カンパニーというバンドの結成へ向けて動き出していました。ボズ・バレル(b)はロバート・フリップが作るトリッキーで複雑な構成を取り入れた楽曲への不満からキング・クリムゾンを脱退し、ミック・ラルフス(g)はグラム・ロックのトレンドへとバンドを導こうとしていたイアン・ハンターとの方向性の違いからモット・ザ・フープルを脱退。そして、2人はかつてモット・ザ・フープルの前座を務めたことのあるフリーのメンバーだったポール・ロジャース(vo)とサイモン・カーク(ds)と合流し、バッド・カンパニーを結成しました。
尚、フリーはギター・プレイヤーのポール・コゾフによるソウルフルなビブラート、センス溢れるコード・ワーク、ピュアで生々しいギター・サウンドで今日でもよく知られているバンドです。
バッド・カンパニーはしばしばフリーの延長線上にあるバンドだと解釈をされていました。しかし、それは真実ではありません。フリーの楽曲の大半は、ベース・プレイヤーのアンディ・フレイザーとポール・ロジャースによって作られており、コゾフは曲作りにはほとんど参加していませんでした。大半のフリーの曲はフレイザーによるものです。フレイザーには、ザ・フーでジョン・エントウィッスルがやっていたように、ベースを独立したメロディ楽器としてプレイする才能がありました。
バッド・カンパニーの楽曲はミック・ラルフスによるプレイと共に、よりアンサンブルを重視したスタイルを基本にしていました。ラルフスは、コゾフよりも歪んだ音でストレートでファットなコードをプレイする根っからのロック・ギタリストでした。厚みのあるサウンドがラルフスのスタイルです。コゾフは思い切ったコードの転回を考える能力を持っていました。彼はエフェクター無しで直にアンプにつなぎ、シンプルなギター・ソロをプレイしていました。
2人はタイプの異なるプレイヤーで、それぞれ異なるアプローチでプレイする個性を持ち合わせていました。ロジャースはライヴでバンド全体のサウンドを強化するために多くの曲で、ピアノとギターをプレイしていたので、バッド・カンパニーは常にフリーより重厚かつクールで、少しアメリカンなサウンドでした。
1976年3月3日、バッド・カンパニーはニューメキシコ州の大都市アルバカーキでプレイしました。ラルフスはツアーの間はライヴを録音しており、30年後にこの極上のライヴ音源は短期間にだけリリースされました。それは彼らが70年代の最高のライヴ・アクトの1つであることを具現化したものでした。ラルフスはレスポールのオーバードライブ・サウンドでタイトでリッチなハーモニックスを披露し、ドラムとベースはポール・ロジャースのかすれたブルージーな歌声にとって理想的なサウンドを作り出していました。4人は完璧でした。
Albuquerqueブースターはミック・ラルフスの76年のクラシック・ロック・サウンドへのトリビュートから生まれたものです。主にPAFのようなクラシカルなハムバッカーを搭載したギターで強く歪ませたアンプを鳴らしているかのような音を出せます。シングルコイルのギターでも同様な音を出すことが可能です。slopeスイッチにより、サウンドの好みやアンプのキャラクターに合わせて低域を抑えることができます。
本機の素晴らしいトーンはギターのピックアップ、ブースターとアンプの相互作用によって作られます。本機はギターからの信号を直接入力できるようにギターのすぐ後に繋がなければなりません。本機は9Vの電池か9V電源アダプターによって駆動します。消費電流は260μA。平均出力レベルは6 dBmで、弦を激しくかき鳴らした時の最大出力電圧は5Vです。
注:本機はプラス電源で作動し、マイナス側がグランドです。また電源アダプターはセンター・マイナスです。すべてのBSMブースターはスイッチをオフにした時、トゥルー・バイパスになります。