今までのマイクとはまったく違う印象でモダンなマイクサウンド。
非常に伸びやかな高域が印象的で空気感がとてもよい。
縦にすっと伸びている印象。
高域が伸びている=硬い音、と捉える人もいるかと思うが、
VM1はそうではなく、よく使う言葉では言えばシルキーなサウンド。
特にボーカルマイクとしての存在感は大きい。
自分でマイクの前に立ち声を出してヘッドフォンで聞くだけでこれは歌いやすいだろうと思える。
近接効果もあるがスクリーンべた付きのクローズマイクで歌えば、伸びやかでありながら非常に豊かな中低域から低域を得ることが出来る。高い音圧にも強くラウドなボーカルにも問題なく対応できる。
現在のJPOPのような音数が多い曲でボーカルが埋もれがちになる曲にはすっと抜け出てくるボーカルに出来る。
違う見方をすれば少し離れただけで中低域から低域が減るとも言える。しかし、これはアコースティックギターやチェロ等のオンマイク(30~50cm)にした場合に中低域が膨らみすぎてしまう楽器や、チェロやバイオリン等のEQハイを持ち上げると硬くて嫌味になってしまう楽器には、楽器の個性を崩すことなくナチュラルにスッキリとした中低域と伸びやかな高域で録音出来る。
サウンド・シティのような大編成のストリングスを録音できるスタジオでアンビエンスマイクとして使用すればHAのゲインを上げてもマイクのSNが良く空気感と奥行きのあるサウンドをとらえることが出来る。
ドイツ製のマイクなので当たり前だが子音の関係上、外国人もしくは英語の歌詞などで歌ってもらうとマイクの個性がさらに分かりやすく得ることが出来る。
声が細い女性ボーカルには合わない時が多かった。
パワーサプライに使う電源ケーブルをグレードの高い物にした時に、その変化が非常によく分かることが出来た。
これはVM1の精度が高い事を表していると思う。
2011/4/12
株式会社サウンド・シティ
チーフエンジニア
内藤岳彦